つれづれの森

読書日記や推し事など自由気ままなスローライフ

ここがつらいよ!SES企業

これまでに2社のSES(システムエンジニアリングサービス)企業を経験した。
「つらい・・もうこの業界は辞めよう・・・」と思った理由をまとめてみる。
なお、SESが向いてる、そんな人もいる。
あくまで私の場合のお話です。

※「そもそもSESとはなんぞや?」については、就活のTypeさんがうまいこと解説してくれている。

type.jp

友人が「金・人・仕事内容のうち、2つ満足しないと適職とは言えない」と教えてくれて、本当にその通りだと感じたので、給与・人間関係・働く環境に分けて考えていく。(どれも満足してないが・・)

 

 

給与面、待遇面で辛かったところ

労働時間の上限、下限(精算幅)が案件ガチャで決まる

これが一番きつかった…。

一般的なSES契約には、働く契約時間に上限&下限がある(例:月160〜180時間)。客先としては、なるべく上限ギリギリまでエンジニアに働いてもらったほうがお得。
とはいえ、上限を超えて働くと、客先側に追加費用が発生する。
自社のSES企業にとっては、プロジェクトが炎上した方がもうかる。

つまり、
自社としても、客先としても、エンジニアには無理をしてもらうほうがお得!


もちろん、下限を下回りそう!って月ももちろんある。
が、月の稼働時間が下限に達しないと発注側が損をしてしまうため、エンジニアは用事がなくても下限を下回らないように席に座っていなければならない。
何もすることがないのに残業を強いられる。

GWや年末年始のある5月や1月は、営業日が少ないため、毎日2~3時間は残業しないと下限に達しない。
そして、体調不良や私用で有給を使った分の稼働時間は残業でカバーする必要がある。
(ここが納得いかなかった。。)


この契約時間については、完全に案件ガチャ。
今の下限がたまたま140時間で済んでいたとしても、次の案件では160時間かもしれない。
同じ会社に属しているのに、普通に働くだけでも20時間の差がついてしまう。

 

休憩など誰もしていない休憩時間

契約上、一日のうち3回くらい休憩時間が充てられることが多い。そのうち2回は定時終わり以降に発生するので、休憩している暇があれば手を動かせ!となる。
非常に休みづらいし、休む人などまるで居ないので、毎日1時間はサビ残が発生していた。

 

 女性の働きやすい環境が発達途上

私自身が女性なので特にこれは気になった。
女性の割合はITエンジニア総数の約20%。増えてきたといっても、まだまだ男性主体の業界。
出産・育児を経て復職した事例や、働きながら子育てする社員、女性の管理職などモデルケースが圧倒的に少ない。

そもそも、女性社員が働く環境に対して、理解のない上層部が多い。
結婚と同時に開発環境から降ろされるケースもよく聞く。
「女性エンジニアも活躍中!」のような言葉をよくネットで見かけるが、
実際は厳しいので、男性を味方につけるか一匹狼でいる覚悟が必要であると思う。

 

 人間関係で辛かったところ

コミュニケーションが取れないor取るのが困難な人が多い

やはりイメージ通り、PCにかじりついてきた人間が集まる世界。
「隣のデスクに座っている人とチャットで会話する」文化はよく知られている通り。
いや、入ったら分かるんですけど、本当にその通りです。
技術さえあれば人格が多少アレでもやっていける業界のため、普通の雑談がまずできない。 

 

一癖ある女性社員が多い

私の周りだけだろうか…?気の強い人がほとんど。
ファッションとか趣味の話はまず出てこないし、目が合っても何も話さないことも多かった。 

 

働く環境で辛かったところ

案件ガチャで環境がコロコロ変わる

半年から1年スパンで次の案件に移らされていた。
その度に客先へ面接を受けに行き、職場も変わり、一緒に働く自社メンバーも客先メンバーも変わり、労働時間の契約も変わり、必要な技術や知識も変わる。
環境が都度リセットされることに抵抗がなく、変化が好きな人は向いていると思うが、私にはとてもストレスだった。

これは人間関係にも通じるところがあり、
どうせ半年しか関わらないのだから」と良心的な態度を取らない人も多かった
顧客からパワハラのようなことがあっても「次の案件まで我慢してくれ」と言われ辛い思いもした。
反対に、ずっとひとつの案件で何年もやっていると知識や技術が偏ってしまい、他で使い物にならないエンジニアになってしまうこともよくある話。
本人の意向に沿った異動をさせてくれるところがあればいいのかな。あるのか、いやない。。

 

自宅から遠い職場になる可能性も普通に高い

「自宅から通える範囲内」はこちらが決められる話ではない。

 

帰社や研修で自社に強制帰還させられる

毎月の帰社日や、研修と称した自費飲み会付の会議など、自分の案件以外の仕事も多い。
移動時間はもちろん、その帰社して仕事している時間は、現場の労働時間ではないので精算幅には含まれない。
精算幅の下限時間を下回りそうな時期は、帰社後また現場に戻って残業を強いられることも普通にある。

 

案件が変わるたびに、自分には全く関係ない業界知識や社内用語を覚え直す必要がある

社内システムやWEBサイトの開発にあたって、顧客の社内で使われる専門用語や略称を覚える必要がある。
辞書化してくれている良心的な会社もあるが、そうでないところのほうが多いので「それってなんですか?」とめちゃくちゃ聞いて自分なりの辞典を作成しなくてはならない。
で、その後の案件で絶対役立つかといえばそうでもない。
「覚え直す」ことに関しては、面白いと感じる人もいるし、徒労に感じる人もいる。
これだけは、技術だけではどうしようもない面でもある。

 

PCのスペック、使用するツールも案件ガチャ次第

客先からの貸与PCがWin10なのか7なのか、はたまたMacなのか、動作がめちゃくちゃ重い壊れかけのノートPCが付与されるのか、デュアルディスプレイが存在するのか、最新版のツールを使用するのか古いバージョンしか使えないのか…etc
そもそもインターネットを使用してはならないところや、メモ書きしたノートを外へ持ち出しNG、携帯電話使用NGのところもある。
セキュリティの関係とはいえ、作業効率とか日々のメンタルとか諸々考えてほしいが、「なんでも使っていいよ~」ってところはURレアケース。

 

椅子のスペック、デスクの広さ、オフィスの綺麗さも案件ガチャ次第

パイプ椅子はあまり聞かなくなってきたが、腰をやるほどペラペラな悪い椅子を与えられることもあるし、隣のおっさんのデスクとの幅が激狭だったり、私物を入れるロッカーが無くて床に置くしかなかったりする。
そもそも固定の自分の席がどこにも無いので、デスクを与えられるだけありがとうという感じ(?)

 

 

つまり、SESは案件ガチャ次第!

SESが天国になるか、地獄になるかは、すべて案件ガチャが決めます。

客先常駐で働くSESエンジニアに向いているのは、
これらの理由が欠点ではなく長所もあるんじゃない?と思えるようなタフさ、もといマゾさがある人だと思う。

需要は伸びていくけれど、いつだって人材不足などこよりも新しい業界なので、
もっと労働環境が良くなることを祈るばかり。